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手羽作文

東京在住の手羽先くんが、反省を込めて書くブログ

なぜ、観客たちは金テープが発射されると、必ず「キャー」と言うのか

ミュージックステーションを見ていた。録画したミュージックステーションスペシャルを見ていた。年末の歌番組は、ある意味露骨である。

ヒット曲のある人は、そのヒット曲を歌うが、今年のヒット曲がない人は、何食わぬ顔で代表曲を歌う。

 そこには、「ヒットは無いけど、いるとオールスター感が出る」というキャスティング意図が透けて見えていて、私はしみじみする。

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例えば、

 

いきものがかり

きゃりーぱみゅぱみゅ

絢香

スキマスイッチ

森山直太朗

 

ここ何年も、最前線で活躍してきたアーティストだが、今年はたまたまヒット曲に恵まれなかった彼ら。それでも彼らは年末の歌番組に呼ばれる。そしてそこで、全力で数年前の代表曲を歌う。何食わぬ顔で。

ヒット曲もいいが、こういうのもいいじゃないか。その様式美に、しみじみする。これぞ、年末の風物詩かもしれない、と思う。そういう意味で、ゴールデンボンバーなどは、もう伝統芸能の域に入っている。私の中では「女々しくて」は年末に聞く歌、というイメージがつきつつあるのだ。逆にそれ以外では全く聴かない。

逆に西野カナなどは、「あなたの好きなところ」を歌っていたが、一歩間違えば「トリセツ」を歌いかねない状況だった。back numberが「クリスマスソング」を今年も歌わされていたように。去年のブレイクアーティストとて、決して誰もが新曲を歌わせてもらえるわけではないのだ。

 そんなことを考えながらMステを見ていたら、絶好調の星野源のパフォーマンス中に、金色のテープが客席の両端から勢い良く発射され、そのタイミングで観客から「キャー」という歓声が上がっていた。よくある光景だが、なぜ、観客たちは金テープが発射されると、必ず「キャー」と言うのだろう。

何に対してキャーと言っているのか。

それはもちろん金テープが発射されたことに対してだろう。では、その時の感情はどうなっているのか。金テープを嫌がっている様子は無いので喜んでいるのかもしれない。彼女たちはテープが大好きで、テープを頭から被りたいという欲求があるのかもしれない。しかし、ステージ上には星野源がいるのである。今日本で一番人気者かもしれない星野源がステージにいるのに、たかが発射されただけのテープに気をとられるだろうか。

多分彼女たちは「キャー」と言うタイミングを常に待っていて、何か、「キャー」と言っても良さそうなタイミングがあればすかさず言える状態になっており、そのタイミングを、テープ発射に見出しただけなのかもしれない。それがテープ発射でも、爆竹でも、なんなら爆弾でも何でもいいのだ。

これはこれで、様式美なのである。そんなことを様式美だと思う自分も、年をとったのかもしれない。