手羽作文

備忘録と反省文を兼ねて書くブログ

私がブラック企業から”本当に”脱出するまでに踏んだ4つのステップ

ブラック企業で働いていた数年間は常に眠気との戦いであったと言うことができる。

もちろん最初は、睡眠不足ゆえの眠気であったが、後半は、それに加え、体内時計が滅茶苦茶になったことによる眠気もあったと思う。

とにかく、常に眠かった。定期的に徹夜や、泊まりの業務があり、休日も2日以上連続でとれることは、ほぼ無かった。

元々、睡眠欲の強い人間だったこともある。目覚まし時計を使わなければ、10時間以上は平気で寝る。だから元々、長時間労働には向いていなかったのである。

 

昼間でも、急激な眠気に襲われることが多々あった。しかし、もちろん業務中に睡眠をとれるシステムはなかったので、非常階段の隅で、隠れて仮眠をとっていた。ちょうど、誰も通らない死角があったのである。床はカーペットで、空気はよどんでいたが、寝られない事はなかった。(その代償として、ハウスダストのアレルギーがひどくなったが)

また、家に帰る暇がなく、深夜のオフィスで仮眠を取る際には、机に突っ伏して寝る事も多かった。驚くべき事に、やがて私の睡眠欲はその状況に打ち勝って、机に突っ伏したまま7時間寝るという記録を作る事になる。(その直後、激烈な首の痛みによって、歩行不可能となった)

そういった生活も原因となり、私には、「眠れない夜」という概念が無かった。ただ、布団で横になれるだけで幸せであり、そこにありがたみを感じていた。ある種、ブラックな生活がもたらした幸せであったと言える。

 

しかし、その後、私は転職してホワイトな会社で働き始めた。急に、5日ごとに休日が2日も舞い込んでくるのである。時には3連休であった。祝日という概念を、私は久々に取り戻した。しかし私は、結局家で仕事をしていた。

休日をどう過ごしたらよいかわからなかったのである。

また、19時に退社という習慣も、受け入れるのに時間がかかった。終電まで働く事に何の抵抗もなくなっていたため、19時に退社したところで、どうしたらよいか全くわからなかったのである。結局、何かしら仕事を見つけ、22時くらいまでは会社にいた。

 

去年まで、そういう状況であった。自らに染み込んだブラック体質を、浄化するまでに丸1年かかったことになる。その過程で、私は、大いに眠り、その睡眠欲を満たすことができた。体内時計は、徐々に正常に戻っていき、昼間、抑えがたい眠気に襲われることは、めったに無くなった。

 

しかし、そこで奇妙なことに、私は突如として「夜眠れなくなった」のである。驚くべき体験であった。今までそんな感覚はほとんど体験したことが無かったが、2016年夏頃から、私は「不眠」という感覚と向き合うことになった。私はうろたえた。眠れない自分に、である。うろたえればうろたえるほど、脳は興奮状態になっていき、眠れなくなった。何度も寝返りを打ち、読書に励んで、自然と眠くなるのを待ってみたが、3時間経過しても眠くならず、ついにスマホで「2ちゃんまとめ」を熟読するなど、無為に時間を過ごすことになった。(その結果「2ちゃんまとめ」に異常に詳しくなった)

生活は楽になったのに、何だか少しそれによって憂鬱が混じるようになった。それは、「寂しさ」と呼んでもよいかもしれないが、それだけではない。

 

このように、軽い「不眠」をにわかに抱えてのち、その解決方法を探ってきたが、最近になって1つの答えが出た。非常に身も蓋もない答えであった。

それは、「日中の疲れが足りないのだ」ということであった。日頃の生活が身体に優しすぎるため、身体があまり疲れておらず、その結果、眠れないのだ。改めて文章にすると、当たり前のことを言っていて恥ずかしいが、私は、ブラックの時の反動もあって、自然と、毎日の暮らしを楽に過ごすことを最優先に考えるようになっていたのかもしれない。

しかし、本来、休息を確保するということは、それ以外の時間を、全力で過ごすということが前提になっている。私は、休息に対して仕事の割合が多すぎた結果、「仕事をいかに楽に乗り切るか」という思考に陥ってしまっていたのだ。

 

この思考も含めて矯正しなければ、真にブラックから脱したということはできないだろう。私は、現在、この矯正に取り組んでいる。さらに、仕事を19時で終えた後は、趣味に時間とエネルギーを割くことにし、ランニングとキックボクシングを始めた。このようにして、しっかりと起きている時間に、身体を疲れさせることによって、眠る時間のありがたみが増すというものであり、不眠からも解放されるはずである。

 

これはまだまだ取り組みの途中だが、ブラックからホワイトへの移行というのは、このように段階的に行われるのかもしれない。

 

①週休2日を取り戻す

②祝日を取り戻す

③定時退社を取り戻す

④空いた時間を充実させる ←いまここ

 

この後、踏むべきステップはそう多くはないはずだが、ここまで来るのに丸2年かかったのだと思うと、やや感慨深い。