手羽作文

備忘録と反省文を兼ねて書くブログ

未婚の孫

未婚の孫

祖母は認知症を患っており、ギリギリ自分の子供(私の父と叔母)のことしか覚えていない。また、新しく覚えたことは10分ほどで忘れてしまう。そんな祖母に会いに行くと、まず「誰?」と聞かれる。「あなたの孫だ」と答えるととても驚く。次に祖母は「名前は?」「何歳か?」「仕事は何か?」の3つを必ず聞く。

そして不動の4番は「結婚してるのか?」という質問だ。「していない」と正直に答えると、祖母は必ず「いい人紹介したいわあ」と言う。その後、「どんな人がいいのか?」など詳細なヒアリングを受け、いい人を紹介してくれようとする。

これを10分おきに繰り返すのだ。

だが、5回繰り返したあたりから、いつもの3つの質問をした後、

……で、結婚はしてないんだよね?」

と聞いてくるようになった。

なんと、奇跡が起こって、私が結婚していないという情報だけが、祖母の中に定着し始めたのである。孫が30歳になっても未婚だということがそんなに衝撃だったのだろうか。次第にヒアリングの語調も強まっていき、最終的には「いい人紹介したい!!」と大きめの声で叫んでいた。

 

スマホX

スマホを機種変更した。対応してくれた男性店員は冷静沈着なプロだったが、液晶画面を守るカバーガラスを購入したところで、「後でご自分で貼るか、今、私がここで貼ることもできますが」と聞かれたので、

「多分、お兄さんの方が上手いですよね」

と言ったら、少しはにかみながら

「まあ、私は、ほとんど失敗しませんので」

と言った。

彼をau渋谷店の大門未知子と呼びたい。

 

顔認証

新型のiPhoneは指紋ではなく、持ち主の顔の輪郭でロックが外れるようになっている。iPhoneに顔を近づけることでロックが外れるのだ。知らなかったので驚いた。先ほどの冷静沈着な男性店員に「整形したら解除できなくなるんですかね?」と軽口を言ったら、「輪郭が変わってしまった場合はそうなるでしょうね」と冷静に返してくれた。

それにしても、顔でロックを外すというのは、よく考えたら、ずっとインカメラがONになっているということではないのか。

少し怖い気がする。

 

ジムの闇

最近通い始めたジムでは、更衣室が地下1階にある。つまり、運動を終えて帰る際には地下1階で着替えて、出入り口のある1階まで上がる必要があるのだが、驚いたのは、地下1階から1階までエレベーターに乗る人が結構いるということだ。

運動とは一体なんなのだろうか。

そんな私も、運動後の疲れでぼーっとして、ついうっかり地下1階からエレベーターに乗ってしまった。

激しい無力感に襲われた。

 

オイランバー

渋谷の路上には、「花魁バーいかがですか~?」と客引きしている女性がいる。「花魁」と「バー」という別世界のものを躊躇なくくっつける大胆さに毎回驚く。2019年の渋谷では、カラフルな着物を着ていれば、とりあえず花魁なのだ。