ポケモンは初代からずっとやってきたが、ドラクエはほとんどプレイしたことはなく、色々と新鮮だった。昔のゲームは良い意味で荒削りだったりするので、今となってはそこが面白い。(当時としては最先端だったのだろうが…)
せっかくの呪文を唱えた後の、「しかし、きかなかった!」の理不尽さはどうだろう。取りつく島もないとはこのことだ。昨今の冒険のヒントまみれのゲームになれてしまった脳からすれば、すがすがしいほどだ。でも実際、社会に出てみると「しかし、きかなかった!」で済まされることはよくあるのだ。
なかでも一番身にしみたのは、戦闘中の「くさったしたいはみをまもっている!」である。
死体となり、さらに腐ってまで、まだ身を守るのか…
生きている人間からすれば、これほど「失うものなど何もない」という状態なのに、まだ、我が身可愛さに身を守ってしまうというのは、ある種の人間に対する示唆的なテーマを含んでいるような気がする。
ファンなど一人もいないのに、プライドばかり高いミュージシャン…
90歳を過ぎて、まだ死を怖がる老人…
ハタから見れば滑稽だが、どうしても人は自分を可愛がり、変化を恐れてしまうものなのである。私たちは、もしかしたら腐った死体のように、必要以上に自分を守っていないか?そんな問いを、ドラクエ3は突きつけてくるのだろうか。