手羽作文

備忘録と反省文を兼ねて書くブログ

スリランカ旅行記① 「空港到着後の衝撃」

2015年4月 スリランカへ旅立つ

2015年、スリランカに行ってきた際のことを、(もう随分忘れてしまっているのだが)忘れないように、ここに記録しておこうと思う。

2015年の4月下旬、テレビ局を退社した私は、5月に転職先の会社に初出勤するまでの1週間強をどう過ごすか考えた挙句、海外旅行に行くことにした。

大学生時代は演劇漬けで、社会人になってからは仕事漬けで、海外旅行など中学生の家族旅行以来だった。

今行っておかねば次いつ行けるかも分からない。

若いうちの海外経験は金だというし、ここで行かねばいつ行くんだ、という変な使命感で、私はHISに向かった。

もちろん一人旅である。

一人旅だが、バックパック1つで諸国を巡るような度胸はなく、格安ツアーに申し込もうと思ったのである。

ところがHISで様々なツアーのカタログを見るうちに私の悪い癖が出てきて、「あまり人気のないところに行った方がいいじゃん」という気になった。度胸もないくせに変に奇をてらおうとしてしまうのだ。

そこで私は最終的に「ネパール」と「スリランカ」の2つに絞り、日程の合った「スリランカ」を選んだ。最安値のツアーで、現地の空港で集合し、現地の空港で解散するという3泊5日のツアーである。私以外にどのような人が何人ツアーに参加しているのかは、現地で集合してみるまで分からないらしい。

スリランカに何か興味があった訳でもない。事前知識といえば「インドの下にある島」ということと、「首都がスリジャヤワルダナプラコッテ」というくらいだ。本当に、奇をてらいたい、というそれだけで選んだのだった。

そして、私は格安短期スリランカツアーに出発した。

 

スリランカ航空の機内にて

スリランカ航空である。10年ぶりの海外に不安を隠しきれない。

ましてや10年前は親に連れられるままに海外に住む親戚に会いに行っただけのことである。何も覚えていないし、今回は1人なのである。

ちなみに私は大学受験の際にこれでもかと詰め込んだ英語を、ほぼ綺麗さっぱり忘れてしまっていた。日本の英語教育の悪いところだけを吸収したような人間である。

スリランカ航空の機内では、当然のように英語が公用語である。ちょっとCAさんに話しかけられるだけでもビビってしまう自分が悲しい。

なんだか分からないが「イエス」と言ってしまう自分がいる。何と話しかけられているか分からないのに、である。「お前を殺してやろうか?」と聞かれているかもしれないのである。

何と無力なことであろうか。私は今まで英語習得に力を割いてこなかった自分を呪った。

もっとも悲しいのが、機内食が運ばれてきた時だ。2種類あり、CAさんが、どちらにするか聞いてくるのだが、「チキン or ◯#$%△&◇?」のチキンじゃない方が聞き取れないのである。

こっちはてっきり「ビーフ or チキン」だと思って身構えていたので、パニックである。せめて「フィッシュ」であって欲しかった。

しかしフィッシュでもない。「◯#$%△&◇」なのである。私には「チキン」しか残されていなかった。スリランカ航空のチキンは、当然のように「チキンカレー」である。そして、今をもって「◯#$%△&◇」は謎である。

機内で私は備え付けのディスプレイにあるゲームにハマってしまった。4色の玉が流れる溝があり、その中央にカエルの石像がいる。

そのカエルから4色の玉をランダムに発射して、同じ色の玉が3つ以上揃えば、それが消える。全部消したら勝ちというゲームである。スリランカの「ぷよぷよ」のようなゲームなのだろうか。カエルの石像というのが、いかにもエキゾチックであった。

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カエルのゲーム。なかなか面白い

 

コロンボの空港にて

そうこうしているうちにコロンボ空港に着いた。暑い。さすがスリランカである。

感じは日本の真夏であった。その頃の私は入国書類というものを知らなかったので、どうやら皆がそれを書いているらしいということを察してうろたえた。かと言って書き方を質問できるような語学力もない。

ツアーの集合場所も、入国審査の先なのである。自力で突破しなくてはならない。見よう見まねで書き込む。書類に書かれている単語を逐一スマホで検索し、旅慣れていない感じ丸出しで記入した。

やっと書き終わったときにはもう周囲には誰もいない。恐る恐る書類を提出すると、あっさり通された。もう既に疲れ果てている。

やっとの事で空港ロビーに向かうと、果たして私の名前のプレートを掲げたおじさんが立っていた。スリランカ人のおじさんはやや怪しい日本語で「遅かったね」と言って笑った。ガイドさんだった。ガイドさんは私に告げた。

「今回はあなた1人ですよ」

ツアーの参加者は私1人だった。確かに、現地で集合するまで参加者が何人か分からないとは聞いていたが…。そもそもツアー自体を1人でも決行するということに驚いた。

まさかのおじさんと私のスリランカ2人旅がこれから始まるのか…。と考えていると、何とガイドのおじさん以外にも、運転手のおじさんもいることがわかった。まさかの、スタッフの方が多かったのである。

これから3日間、謎のVIP待遇スリランカツアーが始まるのだ。

採算は取れるのだろうか。HISにいらぬ心配をしてしまう私だった。

 

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