おじさんのくしゃみ
不必要に大きな声を出すくしゃみを、私は「おじさんのくしゃみ」と呼んでいる。今まで私は、そういった大音量のくしゃみと、それを発するおじさんたちを若干軽蔑していたが、今日、何気なくくしゃみをしたところ、私の口から出てきたのは「おじさんのくしゃみ」であった。
何ということだろう。
私は、別に大きな声を出そうとしたわけではない。別に声を殺そうとしたわけでもないがしかし、あんな大きな音を出そうとも思っていなかったのだ。ショックだった。「おじさんのくしゃみ」は不可抗力なのか。今まで私が軽蔑してきたおじさんたちも、不可抗力だったのか。
通
いつもの回転寿司屋にて。入店してきたサラリーマンが、席につくや否や大将に「小肌」と注文した。1品目に小肌を注文する奴は通と決まっている。こんな格安回転寿司にも通がいるのか…。と感心していると、そのサラリーマンは2皿目に「カリフォルニアロール」と言った。
通じゃないかもしれない。
詭弁
昼下がりの住宅街で、「俺は全人類を心配してるんだ!」と言った男が、隣を歩く女に、「それは詭弁だよ!」と即反論されていた。
私も、「多分、詭弁だろうな」と思った。
2020年11月
コロナ感染の第3波が到来中という。
渋谷駅前では、今日も言論の自由が保たれていて喜ばしいことだ。
江戸時代末期の「ええじゃないか」ってこんな感じだったのかな、とふと思う。