手羽作文

備忘録と反省文を兼ねて書くブログ

ゴルフ氏

某月某日「正月」

正月なので、祖母の家に一族で集まった。祖母は認知症を患っており、昔のこと以外は忘れている。私のことも覚えていなかったが、朝から周囲に、「今日は子供たちがくるから」と言い聞かされていたため、私に会った途端、「子供じゃないじゃないか!」と素早くツッコんでいた。確かに、便宜上「子供」と呼ばれているだけで、私はどう見ても成人男性なのだ。

祖母は、「ああ、びっくりした」と繰り返し呟いていた。

 

某月某日「正月②」

認知症の祖母の記憶がおぼつかないので、親戚たちそれぞれの名前をクイズ形式にして出題してみたところ、私と弟や、いとこの姉妹のことは覚えておらず、嫁である母のことも覚えておらず、流石に自分の子である父と叔母のことは覚えているだろうと、父が、「おふくろ!俺たちのことは覚えてる?究極の兄弟!」と聞いたところ、祖母は流石に自分の子供のことは覚えていたのだが、しばらく、「究極の兄弟」って何だよ、ということで親戚一同が騒然となった。確かに、「最も近しい間柄」という意味で、「究極」という言葉が出てしまったのだと思うが、「究極の兄弟」って世界中の兄弟の頂点に立ってそうな兄弟だし、そのまま地球でも守りそうな勢いである。

もはやウルトラ兄弟である。

 

某月某日「ゴルフ」

2ちゃんねるまとめを読んでいて、妻の浮気を疑う夫の書き込みを見つけた。男性はゴルフ好きの妻の浮気を疑っていて、興信所に調査を頼むかどうか悩んでいるという内容だったが、最初はハンドルネームで呼ばれていた男性が、スレッドが盛り上がるにつれて、「ゴルフ」と呼ばれ始め、最終的に「ゴルフ氏」と呼ばれていた。ゴルフ好きなのは男性じゃなくて浮気妻の方なのだが、離婚するかどうかで悩む男性の呼び名として、「ゴルフ氏」という重々しい響きはかなりしっくりきていたので、呼びたくなる気持ちもわかる。

「ゴルフ氏」ってアメリカの大統領補佐官あたりにいそうな名前。

 

某月某日「誤URL」

昔、とある会社から仕事の問い合わせアドレスに来たメールで、内容はとても真面目なビジネスの話だったのだが、「参考にご覧ください」と言って貼り付けられていたURLを開いたら、風俗情報掲示板だったことがある。怖くなって返信しなかったのだが、本当にビジネスのメールに間違えて風俗掲示板のURLを貼り付けてしまったのかもしれない。

あの時、「URLが間違っているようです」と返信したらどうなっていただろう。