現実逃避
ワンポイント
電車の向かいの席に座っている女性が、ビシッとスーツを着ているが、鼻輪もしている。
ビジネス上手くいくのだろうか。
毅
「高島優毅」という名前の「毅」という字を電話で説明しようとするとき、「犬養毅の毅です」だと通じない時があるが、「亀田興毅の毅です」と言えば100%通じる。
今、「毅」日本代表は亀田興毅なのだ。
重複
石崎ひゅーいの「夜間飛行」の歌詞「僕はこの夜空を飛べることなんかできない」ってかまいたちの漫才の「もし俺が謝ってこられてきてたとしたら」と似てるよな。
現実逃避
引越しの準備をしなきゃいけないのにドラクエビルダーズをやってしまう。ドラクエビルダーズの中では、引越しをしている。
何をやっているんだ、俺は。
好きなタイプ
ファミレスにて、隣の席の会話。
A「俺、新幹線顔の子が好きなんですよね。昔の彼女も新幹線顔で」
B 「そうなんだ。こだま?」
A「いや、のぞみです」
世論の在り処
2択
よく行く回転寿司屋は安いし美味しいので好きなのだが1つだけ怖いところがあって、つぶ貝を注文した客に対してレーンの中の大将が、「つぶ貝は”活け”と”冷凍”がありますが!!」と大声で聞くのである。
もちろん”活け”は高く、”冷凍”は安いのだが、ここでスパッと「冷凍で!」と言える客がいるだろうか。
「じゃ、じゃあ”活け”で…」という返事を聞きながら、私はいつも「言えねえよな…」と思う。
人間模様
撮影現場では時に人間模様が濃く現れるものだが、この間、皆がバタついているときに、「一旦落ち着こう!!落ち着いて考えよう!!ね!一旦!」と、落ち着きなく言って回る人がいた。
その人以外は皆冷静になったので、ある意味効果的なのかもしれない。
世論
深夜のバーミヤン。テーブル席に6人のおじさんがギュウギュウに座り、「チュートリアルの徳井を許すべきか」熱い議論を交わしている。
そうか、世論ってバーミヤンにあったのか。
宮沢賢治
夜の渋谷、道で酔っ払いが軽い喧嘩をしているのを見て、先輩が「仲裁してやれよ」と言った。私は「嫌ですよ、宮沢賢治じゃあるまいし」と言った。先輩は「訳わかんねえこと言うなよ」と言った。まあ、確かにね。
酒豪の理不尽
本領発揮
急いでいるときに限ってエレベーターがなかなか来なかったりするものだが、最近はもう、そういうエレベーターを見ると「本領発揮してんなあ」と思うことにしている。
いざという時なかなか来ないのは、エレベーターの本領だ。
曲調
最近、ぼわーっとしたコーラスの歌が好きだということに気づいた。
うまくは説明できないが、「カーマは気まぐれ」のサビとか
ゴスペラーズの「星屑の街」のイントロとか。
Nissyのこの曲のサビもそうだ。
Nissyの他の曲も聴いてみたが、この曲だけが特に好きなのである。特にサビの「顔上げて Don't be shy」の「shy〜」がぼわーっとしていて聞き入ってしまう。
何故なんだろう。自分のことながら、少し怖い。
現代のハゲワシ
スーパーで人だかりができていた。輪の中心にはお惣菜に割引シールを貼る人。
何かに似てると思ったら、ハゲワシだ。
古くなったお惣菜は行き倒れ。店員は死神。客はハゲワシ。
そして私も、ハゲワシの輪に加わった。
酒豪の理不尽
酒弱い人あるあるかもしれないけど、酒豪の友人に付き合って深夜まで飲んで、翌日会った時に「昨日飲みすぎて記憶ない」と言われると、「誰のための時間だったんだよ…」と思う。
「死の博物館」と「自撮り美術館」とアメリカの揚げ出し豆腐【ハリウッド映画祭参加日誌⑥・最終回】
kaitensushitaro.hatenablog.com
この「ハリウッド映画祭参加日誌」もついに最後の記事になった。ついに、というか、よくここまで時間がかかったものである。映画祭が終わって間もなく5ヶ月が経とうとしている。私の記憶も曖昧になりつつある。そして人間ドックにはまだ行っていない。毎日仕事に追われているからだ。バカである。冬が終わり春になった。ワニも100日が経ち死んでしまった。
そろそろ書き終わろう。
ハリウッド滞在の3日目の午後、映画祭を終えた私は「Museum of Death(死の博物館)」に向かった。これは、Google Mapで色々見ていた時に偶然見つけた博物館で、調べてみると、訪れた日本人のブログ記事もいくつか見つかった。それによれば、「死の博物館」という名前の通り、死体写真、殺人鬼の手記、骸骨や凶器などが多数展示されている、個人経営の博物館らしい。館内は撮影NGのため、行かなければそれらを見ることは出来ない。
「せっかくなので日本じゃ行けないところに行こう」と思った通りの場所だが、そういうことなのだろうか。分からないが、そんなに遠出もできないし、ハリウッド大通りをまっすぐ行けばいいだけだから、とにかく行こう!と思い立ち、歩き出した。
だが、分かってはいたつもりだったが、私の想定の何倍も、ハリウッドは広かった。通りは1本なのに、果てしなく遠い。50分くらい歩いただろうか。もはや夕暮れに差し掛かる頃、ようやくたどり着いたのだった。
中に入ると、「気分が悪くなっても責任取らないよ」という注意書きが。そして、受付のお兄さんに荷物を預けなくてはならないのだが、そのお兄さんが、ティム・バートンの人形劇くらい青白く、革ジャンを着た「ザ・ヤク中のバンドマン」みたいな風貌なので既に怖い。色々とルールを説明してくれるのだが、破ろうものなら容赦無く刺してきそうな気がする。
中の展示物は、「ああ、俺、英語読めなくてよかったかもな」と思う程度にはグロく、説明文を読んでないだけまだマシという感じだった。特に、交通事故の死体写真のコーナーのインパクトは強く、自分もこれになる可能性があると思うと恐ろしく、結構教育的な意義もあるんじゃないかと思ったりもした。館内には結構人がいて、カップルとか、女性だけのグループもいたりして、女性が多い印象だった。
そんな中、突然スマホにメッセージが届き、なんと映画祭で出会ったQさんが、「時間があるので合流したい」というではないか。死の博物館にいるとは伝えてあるので、Qさんも物好きとしか言いようがない。Qさんはアメリカ在住なので、まさか歩いては来ないと思うが、私は展示物をもう半分以上見たところだったので、しばらくQさんを待つ必要がある。
すると館内に椅子が置いてある休憩コーナーを発見。散々歩いてクタクタだったこともあり、そこで待つことにしたのだが、そこではモニターに資料映像が流れていて、それは太った男の死体を解剖する様子をノーカットで見せるというとんでもないビデオだった…。Qさんが来るまで私は太った男の死体が解体される様子を延々見なければならない…。全然見たくないが、館内に座れるところは他にないのである。脂肪って中は黄色いんだなあ……。全然求めてない情報を得ながら私はQさんを待った。
果たしてQさんは私が死体解剖ビデオの2周目を見始めたあたりで現れた。顔色一つ変えずに展示物を見て回るのは、さすが、アメリカ歴が長いからだろうか。何にせよ心強い仲間ができた。私とQさんは、受付のティム・バートン風兄貴に別れを告げ、「死の博物館」を後にした。「死の博物館」、よっぽど暇な時は是非オススメです。
さて、Qさんは私のハリウッド観光に付き合ってくれるというので、私は先ほど大通りを歩いた時に気になっていた「Museum of Selfies(自撮り美術館)」というスポットに行きたいと申し出た。するとQさんは慣れた手つきでUberを手配。瞬く間にUberの車が現れたのだった。図らずも、「Uberに乗ってみたい」というこの旅の目的が達成されることになった。Uber運転手は何だか重低音を流している大柄な黒人の人だったが、怖いことはなく、ほぼタクシー1メータくらいの距離で我々は降りた。こんな短距離でも手軽に乗れるとは、聞いていた通りかなり便利だ。アメリカは広い。とにかく歩くのは無理があるのである。そしてやってきた「自撮り美術館」。結構入場料が高い。25ドルだったかな。
私はてっきり、自撮り写真ばかり集めて展示しているのだと思ったのだが、中に入ってみたら、自撮り用の背景があるだけのスタジオだった。騙された…!完全に観光客向けの安い施設だった…!だが、悔しいので私もQさんも自撮りに挑戦する。
なかなか酷い出来だが、もう楽しむしかない。25ドル払っているのである。そして、自撮りじゃどうしようもない背景も多い。Qさんがいてくれてよかった…!
そんな感じで自撮り美術館をそれなりに楽しんだ私とQさんが最後に向かったのは、朝見つけた寿司屋である。Qさんには申し訳ないが、私は海外のリーズナブルな寿司屋がどんなもんなのか、行ってみたかったのだ。
例えば、イタリア人がサイゼリヤを見たら多分笑うのと同じように、私にとって「Hollywood SUSHI」もなかなか面白い店だった。店の内装はまるで日本の祭りのようだが、店員さんは韓国語の服を着ているし、アジアのイメージがごちゃ混ぜになっている。
メニューには握り寿司はほとんどなく、多いのは「ロール」である。
さらに、「Appetizers(前菜)」の欄を見ると、枝豆やビーフ餃子などと並んで「揚げ出し豆腐」があるではないか!揚げ出し豆腐が「前菜」というのも変だが、掲載されている写真も面白い。
いくつかの寿司、ロールと、揚げ出し豆腐を頼むことにした。
そして、届いたのがこれである。
寿司は、スーパーの惣菜寿司と同じくらいのクオリティで、不味くはないのだが、まあ、店で食べるにしては物足りないなあ、という感じ。そして揚げ出し豆腐は、豆腐をフリッターのようにしており、甘辛いタレにつけて食べるという謎の料理に変貌していた。タレは、例えるなら、伊勢うどんのタレに味が似ている。(わかりづらいが…)とにかく濃くて甘いのである。まあ、不味くはない。不味くはないが美味しくもない。全体的にそんな感じだ。そんなに繁盛してる感じもない。ただし、サッポロのジョッキで出てきたビールはやたらと美味かった。中身もサッポロなのだろうか。
この店で寿司をつまみつつ、Qさんと映画のことを話していたが、私の腰痛もあまり良くなかったので早々に解散となった。Qさんには色々と付き合っていただいておきながら、最後には腰痛で解散ということで申し訳なさがあったが、とにかく明日の飛行機移動のことを考えると無理はできない。
ついに、ハリウッド最終日が終わった。最後、ホテルに戻った時、ロビーでイベントをやっていて、警備員に「ここ、立ち入り禁止ですよ」と言われたのだが、「I stay here(私、ここに宿泊してるんですよ、の意)」とスッと出てきたのは、何だか今回の俺の英会話の集大成という感じがあったな……。(低レベル)
そして翌朝、私はまたもやタクシーで空港までたどり着き、なんとか飛行機に乗り込んだ。帰りの道中のことはあまり覚えていない。いつだって、旅の帰りはあっという間なのである。「ズートピア」を見たことしか覚えていない。
ようやっと私も海外旅行に慣れてきたのだろうか、あの、成田空港に降り立った時の、高揚感はいつもほどはなかった。ロサンゼルスに日本人が多かったからだろうか。
まあとにかく、腰も無事で、日本に帰ってきた。空港で、借りていたワイファイなどを返却する。その時、私は気づいた。「ili」がない!!!
あの夢の翻訳機、「ili」が無くなっているのである。そういえば「ili」はお守りがわりにジャケットの胸ポケットに入れていたはずだった。それがいつからか無くなっているのだ。テンパりつつも写真を遡ってみると……
ということは、「自撮り美術館」のどこかで無くしているのである。
そして、決定的瞬間はQさんが撮ってくれた動画に収められていた。
私が顔文字ボールの海に遠慮がちにダイブしたこの瞬間、夢の翻訳機「ili」は胸ポケットから飛び出し、顔文字の書かれたボールの海に沈んでいったのである。そうとしか考えられない。
なんということだろう……。
もう海の向こうに取りに行くこともできない。こうして、レンタルした「ili」を紛失したことにより、私は4万円の弁償代を払うこととなった……。ジョーカーにカツアゲされた2000円よりも、「自撮り美術館」の2500円よりも、自分のうっかりミスの代償の方が、はるかに高かったのだ…!!
こうして私のハリウッド映画祭弾丸ツアーは、翻訳機紛失で多額の弁償代を支払うという衝撃のラストを迎えてしまったが、まあ、それを抜きにして考えれば、ハリウッドのチャイニーズシアターで自作品が上映されるという名誉なことに立ち会えたのは非常に良い思い出であった。そして海外に行くと自分の無力さや未熟さが浮き彫りになるからそれも良い。浮き彫りになり過ぎ、という説もあるが……。まあ、いいじゃないか。とにかく良いことも悪いことも充実した出張であった。
関係者の皆様、現地で出会った皆様、ありがとうございました。
いよいよ『Japan Cuts Hollywood』で上映される【ハリウッド映画祭参加日誌⑤】
前回の記事
kaitensushitaro.hatenablog.com
さて、デスバレー国立公園日帰りツアーの半分を爆睡して過ごすという大失態の翌日、私は朝6時ごろに目覚めた。例によって時差ボケの影響で、早朝に目が覚めてしまう状態だ。そしてついに今日は映画祭「Japan Cuts Hollywood」に参加する日であり、アメリカ滞在の最終日でもあるのだ。明日の朝には日本に帰らなければならない。体内時計は大混乱だが、元々大して整っていなかったことを不幸中の幸いだと思うしかない。
溜まっている日本からの連絡に返信などしたが、まだ8時くらいである。映画祭の開始は10時なのでだいぶ時間がある。少なくとも、朝食は食べなくてはならない。私は外に出ることにした。ハリウッドは今日も抜けるような快晴である。ハリウッドで映画産業が発達したのは、とにかくずっと晴れているからだということも、この滞在中に知った。
滞在3日目にして、私はそろそろ、「何かをパンで挟んだもの」以外のものを食べたいと思っていたのだが、果たして朝のハリウッドの街には、そのような店は見当たらなかった。謎の寿司屋も見つけたのだが、まだ開店していない。(この店には、夜に訪れることになる)
とにかく区画の幅が広いので、付近をぐるっと見て回るのも一苦労だ。都内で言うところの一駅分くらいは歩いたが、カフェを除けば、選択肢はマクドナルドか、バーガーキングか、サブウェイの三択だった。
サブウェイしかない。
何しろ、私は昨夜もハンバーガーを食べている。その前夜もハンバーガーだ。昨日の朝食で食べたパウンドケーキを除けば、私はとにかくずっと「パンに肉を挟んだもの」を食べているのだ。せめて、今はパンに野菜を挟みたい。そう思ってハリウッド大通りのサブウェイに行くことにした。途中、ぼったくりでおなじみ、スーパーマンのコスプレ野郎とすれ違う。朝早くから出勤する、真面目なスーパーマンである。なにやら話しかけてきたが、完全無視だ。一昨日のジョーカー事件で少しは学習した私だった。
野菜食べたさにサブウェイに行くことを決意したのはいいものの、一抹の不安があった。パンの種類や焼き方だの、野菜はどれを入れるかだの、とにかくサブウェイは問答が多いのだ。全て英語で乗り切れるだろうか。だが、とにかくもう、ハンバーガーは食べたくない。尾崎豊のようにつぶやくと、私はサブウェイに入店した。
案の定、アメリカのサブウェイも質問攻め方式を導入していた。5分後、かろうじてパンの種類を選ぶところまではクリアしたが、最終的には野菜の細かい質問に耐えきれず、業を煮やした店員に「Everything OK?」と聞かれて「Yes」と答える私がいた。こうして全ての野菜が投入されたサンドイッチは、ほとんど日本と変わらぬ美味しさだったが、時折、正体不明の「すごい辛いピクルス的な何か」が挟まれていて、それに当たった時だけ悶絶したのであった。
また、髭を剃る術を持っていなかったために、ドラッグストアに寄り、カミソリを購入。レジで愛想のいい店員さんに「How are you?」とか「Have a nice day」とか言われる。日本ではほとんどないが、アメリカではよく、レジで簡単な挨拶を交わすのである。3日目にして肌感覚として理解できたのは、やはりこういった文化は、多民族国家の必要から生まれたのでは、ということだ。日本人のような単一民族国家と違い、人種もバックボーンも違う人々が生活するためには、積極的にコミュニケーションをとることでトラブル回避になるし、逆に不審な人物を早期発見するきっかけにもなる。チップもきっと同じなんだろう。文化の違う人たちをまとめるには、早い話が「お金」の力が必要だったということだ。後払いで、かつ金額が定まっていないことで、誰もが真面目に働くモチベーションになる。徹底的に”性悪説”に則った文化だ。だがそれは、理にかなったやり方だと思う。そう考えると、スッと腑に落ちたし、チップを払うことを面倒だと思う気持ちは薄れていった。
さて、サブウェイを食べ終わり、少しぼーっとしたあと、いよいよ映画祭の始まる時間が近づいてきた。朝のハリウッド大通りは既に観光客で賑わい始めている。3日目にしてようやくハリウッドをちゃんと見る私だった。やはり圧倒的に中国人が多いように見える。チャイニーズシアターの前だからだろうか。
さて、私がチャイニーズジアター前の有名な映画俳優の手形を見ていると、突然謎の老婆に日本語で話しかけられた。ジョーカー事件以降、何も信じられなくなっている私は、日本語がわからないフリをして無視を決め込んだのだが、すると老婆は、今度は中国語で話しかけてきた!「多分、日本人。でなけりゃ中国人」という事前の予想があったのだろう。もはや老婆は私を中国人と確信しており、マシンガンチャイニーズトークで何か言っている。だが私は全くそれを理解できない。どうしたらこの老婆から逃れられるのだろうか。今更「実は日本人なんですよ」と言っても、最初わからないフリをしたことがバレて恥ずかしい。困った末、私はカタコトの英語で「ノーサンキュー」と言った。英語がカタコト過ぎてアジア系アメリカ人というのも無理があるが仕方ない。老婆は、「じゃあ結局何人なんだよ…!」と思ったか知らないが、私の困りっぷりを見て諦めてくれた。
さて、チャイニーズシアターである。その名の通り、外観は中華街のような建物なのだが、中には最新の上映設備があり、普通に映画館として営業しているようである。伝統的なハリウッドの映画館らしく、中には歴代ハリウッドスターの写真がずらりと飾られている。まさかここで上映されるとは。
現地に到着するまでは、実際のところ映画祭など行われておらず、騙されている可能性も(失礼ながら)覚悟していたのだが、果たして「Japan Cuts Hollywood」の受付は存在していた。そして、名前を告げると「Film Maker」というPASSをくれたのであった。控え室に通される。そこで会ったのは、日本の映画作品を海外に紹介する会社のQさんであった。アメリカに移住して10年以上というQさんは気さくに色々と話してくださり、助かった。
その日は映画祭も最終日であり、日本の短編作品を連続して上映するプログラムになっていた。私の作品の上映は昼過ぎなので、それまでは他の人の作品を見ることになる。アメリカで日本映画を見るのも変だが貴重な体験だ。やはり話には聞いていたが、アメリカの観客はよく笑う。決して満席ではなかったが、ちょっとしたことでも大きな声で笑うので、楽しい空間が出来上がっていた。たまに、「ここ、笑いどころなのかな?」というところでも笑っていたが、楽しんでいるならそれでいい。
というわけで、拙作「VR職場」も上映され、おかげさまでよく笑っていただいた。日本人にしか通用しないような箇所もあり、その辺は伝わってないような気もしたが、心配していたほど伝わらないこともなく、よく笑っていただいて、ありがたかった。上映後、観客の前に出て挨拶する。私は、「Thank you for watching my movie.」的な定型文を一生懸命喋り、その後すぐさま日本語で「私が英語で喋れるのはここまでです」と言った。通訳の人が訳してくれて、まあまあウケたので、よかったと考えよう。色々と質疑応答もいただいて、面白い体験になった。
映画祭スタッフの人たちの中には、現地で映画作りをしている学生などもいて、そういう人たちと話すのも刺激になるし、大変だったが渡米してよかったと思える体験であった。そして15時くらいに上映が終わり、残された時間でついに私のハリウッド観光が幕を開けたのである。
せっかくなので日本じゃ行けないところに行こう。そう決めた私が選んだ行き先は、知る人ぞ知るダークスポット「Museum of Death(死の博物館)」であった。